2017-09

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朗報「再び佳作決まる」

こんにちは(或いはこんばんは)
奥貫阿Qです。

暖かくなったり寒くなったりしている今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

私はこのブログで宣言した通り、コンクール用作品を黙々と書き続ける日々です。
ほとんどひきこもりです(哀)
カラオケくらいには行きたいのですが、精神的に落ち着かないもんで、それすら行かないという有様です(苦笑)

そんな私ですが、今日、ある朗報が来たので、お知らせします。

実は過去に、このブログにアップした「胎児の夢」というショートショート。あれが、「埼玉文学賞」というコンクールにて、佳作に入ったようなのです!
一応あれでも、コンクール作品だったんですよ(笑)

しかし、去年も応募して佳作入りしましたが、まさか今年も入るとは…(汗)
嬉しい限りですね♪
今回は、私が応募した児童文学部門では作品数も増えた中での佳作入りなので、なお嬉しいです!

しかし、44作品中佳作の第6席(第六位という意味だと思われます)なので、まだまだ努力が必要ですね…。

今、別のコンクール用の作品を書いていますが、それでも結果を残せるよう、「胎児の夢」の長所と短所を見直し、そこから何かを学べればいいな、と思っております。

では、今回はこれにて!
再び作品制作に戻ります~。

追伸
せっかくなので、今日はもう一度「胎児の夢」を、この文の下に載せておきました。まだ見ていないという方、興味があるという方は、良かったらご覧になってください♪

                        ◆

「胎児の夢」

「ユウイチー、そろそろ起きなさーい。」
朝日がカーテンから差し込む、午前六時。僕はいつものように、母さんに呼ばれて目覚める。
「もういい加減、一人で起きられるようになったのにな。」
文句を言いつつ、僕はベッドから起きて、着替えをする。
生まれてから九年間、僕の朝はこうやって始まるんだ。 母さんに起こされてから着替えをし、それが済んだらリビングへ。
「母さん、おはよう。」
「おはよう。ご飯できてるわよ、さっさと食べちゃいなさい。」
「はーい。」
どこの家でもそうなのかもしれないけど、我が家は、いつもなんとなく、家族が座る席が決まってる。テレビがよく見える席は父さんの席。スポーツを見るのが好きだからね。父さんのせいで、見たい番組が見れないときは、すごく腹が立つけど、今は海外出張中で、家にいないんだ。ちょっとさみしい。
母さんの席は、父さんとは逆に、テレビがあまりよく見えない席だ。うちの母さんは、テレビを見るよりは、料理とか手芸が好きだから、別にテレビがあんまり見えなくっても構わないんだとか。
ちなみに僕の席は、テレビがまあまあ見える席かな。 そのいつもの席に座って、朝ごはんを食べようと思った。けど、食卓に並ぶメニューを見て、僕はげんなりした。
「母さん、またパンなの?僕、朝はご飯が食べたい。」
我が家の朝ごはんは、毎日パンと決まっている。だけど、ご飯派の僕としては、たまにはご飯が食べたいんだ。
「ユウイチがもっと早く起きれば、ご飯食べていくだけの時間ができるわよ。」
「六時よりも早く起きるのー?無理だよそんなの。」
全くもう。たまにはご飯にしてくれたっていいじゃないか。
そうは思っても、僕はこれ以上の文句は言わずに、朝ごはんを食べた。
うちの母さんの料理は、なかなかおいしい。文句を言って、朝ごはんを取り上げられてはたまらない。
「ふぅ…ごちそうさま。じゃあ、そろそろ学校行くよ。行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
母さんの声をランドセルに受けて、僕は学校へ向かった。
今日は三時間目で授業が終わるんだ。友達の家で遊んでから、家に帰るかな。

「おい、ユウイチ。もう五時だぜ。お前んちの門限の時間だろ。大丈夫か?」
「え?…ああっ!ほんとだ!」
学校が終わってすぐ、僕は近所にすんでるユウヤの家でゲームをやっていた。新しく発売されたゲームだとかで、僕達は夢中になってプレイしてた。
でもやばい。夢中になりすぎて、とうとう門限の時間までやってしまった。
家に着くのは当然、五時過ぎだしなー…。母さんがカンカンになってるのが、目に浮かぶようだ。
「俺も一緒に行って、謝ってやろうか?」
ユウヤも、僕が本気で困っているのを察してくれたらしく、助け船を出してくれる。
でも、僕も男だ。これしきのことで友達を頼るようでは情けない!
「大丈夫。一人で平気だよ。」
本当は、母さんから落とされる雷が恐ろしくてしょうがないけど、ここはがまんだ。
「そっか。じゃあ、気をつけてな。いろんな意味で。」
「うん。」
ユウヤ、僕が強がってんの分かって言ってるんだな…。「いろんな意味で」か…。
「それじゃあユウヤ、また明日。」
「ああ。」
このままここにいても、母さんから逃れられるわけでもなし。僕は、ユウヤの家を後にした。

ユウヤの家を出たあと、僕はとぼとぼと家へと向かっていた。これ以上帰りを遅くしていいわけないけどさ、やっぱり帰りにくいよ。
「あー、どうしよう。母さん、めちゃくちゃ怒ってるんだろうなー。帰りたくない。」
「ダメよ、ちゃんと家に帰ってきなさい。」
「え?」
この声、母さん?
「あーっ!なんでここにいるの!」
「なんでじゃないでしょう。帰りが遅いから、心配で迎えに来たのよ。」
腰に手をあてる母さん。
でも、怒ってるような言葉のわりに、声は優しかった。
それが逆に怖い。母さん、実は今、すっごく頭にきてるのかも。ごきげんとっとかなきゃまずいかな…。
「母さん、遅くなってごめんなさい。」
僕は素直にあやまった。
これがいつもだったら、「迎えに来なくってもいいのに」とか、「友達に見られたらはずかしいだろ」とかいろいろ言うけど、今日は素直にあやまるにかぎる。だって、いつもだったらここで、小言が山のようにふってくるのに。今日はそれがないなんて、何かが変だ。
「いいのよ。ユウイチが無事に帰ってくれば。」
やっぱり小言はない。僕がますます不安をつのらせていると、母さん、なぜか僕の目の前に手を出してきた。
「ユウイチ。たまには手をつないでみない?」
「?」
何言ってるんだよう、母さん。僕もう小三だよ。手をつなぐなんて、幼稚園かそこいらのチビがやることじゃないか。
僕がためらっていると、母さんはむりやり手をつないできた。
「やめろよ母さん、はずかしい。」
こればっかりは、僕はしかめっつらで文句を言った。
だけど母さんは、僕の文句を聞き入れるつもりはないらしい。
まるでいたずらっ子みたいな顔をして、僕にほほえんだ。
「あらそう?手をつないでくれるんなら、門限をやぶったことは、おこらないであげようと思ったのに。」
「う。」
それを言われたら、僕にはもうなすすべはない。
最大級の弱みをにぎられた僕は、手をつないだまま、母さんといっしょに歩き始めた。
いやはや…母さん、今日はほんとにどうしたんだ?

ユウヤの家から僕の家まで、歩いてだいたい二十分はかかる。その間に、夕日が沈んで来てしまった。
やっぱりこの季節は、日がくれるのが早い。おかげで、放課後に遊ぶ時間がへっていやだよ。
だが、母さんはそう思っていないらしい。
もう日がくれるっていうのに立ち止まって、夕日を眺めてる。
「きれいな夕日ねぇ。」
のんきなもんだなあ。ここいらは人通りが少ないから、くらくなったらあぶないのに。
「あんなの、いつもと同じだよ。帰ろうよ。くらくなったらあぶないって、学校で言ってたよ。」
おなかがすいたのと遊びつかれたのとで、僕はもう、いっこくも早く家に帰りたかった。 さっきとは真逆の気持ちだ。
しょうがない。のんきな母さんをせかしてやろう。
「母さん、帰ろう。」
僕は、ぐいっと、つないだままの母さんの手を引っ張った。ふふふ、これだけ強い力で引っ張れば、さすがの母さんもびっくりするぞ。
「って、あれ?」
ぐっ、ぐっ、ぐっ。
いくら引っ張っても、母さんはびくともしない。まるで大きな木、ううん、電柱とつな引きしてるみたい。
だって母さん、コンクリートで固められたみたいに、カチコチになってるんだもん。
どうなってんの、これ。
「ね、ユウイチ。」
急に電柱に化けた母さんは、まるで何ともないかのように、僕に声をかけてきた。
「もし…もし、ユウイチが、今まで暮らしてきた世界がウソだったら、どう思う?」
「…え?」
何言ってんの、母さん。僕が今まで暮らしてきた世界がウソだったら、だって?そんなこと、あるわけないじゃないか。
だって母さんは目の前にいるだろ。カチコチになってるけどさ。
「ちょっとむずかしい話だったかな。でも、聞かせてほしいの。ユウイチだったらどう考えるのかを。」
いや、どう考えるのかって。
「分からないに決まってるだろ。そんなの、僕に分かるわけがない。」
そんなの、わざわざ聞かなくっても当たり前のことじゃないか。
僕はまだ九歳で、子供で。まだまだ分かんないことだらけなんだから。
「そっか。そうだよね…。」
僕に言ってんだか、自分に言ってんだか分かんない返事を、母さんはした。
母さん、何だか目がうるんでる。ひょっとして、泣いてるの?どうして?
「ユウイチ。だったらこれだけは言わせてちょうだい?」
母さん?どうしたんだ?
「母さん、ユウイチのことが大好きよ。大好き…。さようなら。」
「母さん!」
僕が母さんの名前を叫んだ時だった。目の前にあるもの全部がグニャグニャにゆがみ、あとかたもなく消えていく。
母さんも。
「母さん!怖いよ!母さんー!」
僕の声に、母さんはもう答えてくれなかった。
母さんの声の代わりに聞こえてくるのは、何だかうるさい機械の音。

「…イチ。ユウイチ。」
どこからか、男の人の声が聞こえてきた。全然聞いたことのない、知らない男の人の声。
よく分かんないけど、返事しといた方がいいのかな?
「…はい。」
迷ったけど、僕は返事をした。
そのとたん、耳がキーンとなるくらいの歓声が聞こえてきた。
わあ、うるさい!
「やった、やったぞ!」
「科学の勝利だ!」
え、科学?ってことは、ここは病院か何かかなあ?
ひょっとして僕、ここに入院してる?
「あの、ここどこなの?」
さっきまでグニャグニャしてた風景が、ようやく普通に見えるようになってきたんで、とりあえず、目の前にいる女の人に声をかけてみた。
この人、白衣を着ている。やっぱり病院?
僕はそうとしか思えなかった。でなきゃ、ここは一体何なんだ。
僕の質問に、女の人はとってもうれしそうに答える。
「ここはロボット専門の研究所よ。あなたはここで造られたの。」
…え?何だって?ロボット?
 全然話がのみこめてない僕を無視して、女の人は勝手に話を進めてしまう。
「この研究所ではね、限りなく人に近い思考を持ったロボットを造ろうと、長年研究を続けて来たの。その一環として、まるで子供を育てるのと同じように、九年から十年ぐらいの時間をかけて、コンピュータにロボットの人工知能を育てさせるという取り組みをしていたの。残念ながら、さっき事故が起きて、コンピュータは壊れてしまったのだけれど。」
そう言って、女の人は、部屋の奥の方を指さす。そこには、バチバチと音を立てている、壁一面をおおうくらいの大きな機械があった。
さっき僕の耳に聞こえてきたのは、この音だったんだ…。
「でも、よかった。肝心のあなたが無事で。あなたまで壊れてしまっては、今までの研究の成果が無駄になってしまうところだった。」
女の人は、ぎゅっと僕の手を握ってくる。
ついさっきまで母さんが握っていた、僕の手。
「U-1。あなたが助かってくれて、本当にうれしいわ。ありがとう。」
女の人は、ポロポロとなみだを流し始めた。

何が何だか、訳が分かんない。
僕はロボット?さっきまでいっしょにいた母さんはコンピュータ?
嘘だ。嘘だ。
僕は信じないぞ。
こんなの嘘っぱちだ。母さんも、この女の人も、嘘をついているんだ。
こんな訳分かんない世界が、現実であるわけがない。こっちの世界のが嘘なんだ。

僕は、大さわぎする人達は無視して、もう一度目を閉じる。
僕にとっての現実に帰るために。母さんがいる世界に帰るために。
そうだ。次に目を開いたら、全部元通りになっているよ。
目を開けたら、ほら。

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