2017-09

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新連載始まりました!タイトルは「Doll」!

こんにちは(或いはこんばんは)!
奥貫阿Qです。

予告通り、またまた連載を開始します!
タイトルは「Doll」。読んで字のごとく「人形」って意味ですが、このタイトルにはちゃんとした意味があるんです。
実はこの小説に出てくるキャラ数名が、友人に頼んで援軍に来ていただいているので!
そのうち一人が、このタイトルと大いに関係がある存在なんです。
もっとも、謎は本文の中で、物語の進行とともに明らかになっていくことでしょう…。
ちなみに、この連載の中で、「Moon King」同じの一部にも触れていきます。…うん。長く書く分、触れられたらいいな。

それではぼちぼち、本文へ行きます!
来週はゼミ発表等の用事があるため、ブログはお休みします(汗)
(ここ最近地震が多いせいで、資料が無事かどうか心配ですが…)



「Doll」①
(byシンタ)

俺の名はシンタ。元上司(ひと)(ひと)は皆、僕のことを「新兵太」と呼ぶ。
新人中の新人。それが俺。
普通新人ったら、下には誰もいない分、悩みなんて無いんじゃないかって?
いいや。自慢じゃないが、こんな万年新人な俺でもいっぱしに悩みがある。
知り合いの中じゃ、※一番年下(※今年十六になる)ってことかって?違う。
あともうチョイで百七十センチになりそうな、憧れの※教官殿(※女性)よか身長が低いことかって?それもそうだが、少し違う。
実は、俺の目は少し変なのだ。
目の色云々の話じゃない。ましてや、目に何か病気がある訳じゃない。それなのに、俺の目は。

「おい、兄ちゃん。空なんか見上げてどうしたんだい?」
「え?ああ、何か空に鳥が飛んでいるような気がするんすよ。銀色の、大きな」
「銀色の鳥ぃ?そんな鳥、いる訳がねえだろう」
「…ですよねぇ」

…こんな感じなのだ。
ざっくり言ってしまえば、俺の目には、普通の人が見えないものが見えるらしい。
ある無風の日は、巨塔の陰に蠢く水たまりを見つけた。またある月夜の日には、墓地を荒らす、手の長い二足歩行の生き物を見かけた。あの生き物を見かけた翌日には、MK分団に「墓荒らしの犯人を見つけろ!」って依頼が来たっけ。
そして、今日。空を飛ぶ銀色のオオトリだ。
銀色の、ましてや何メートル級かも分からない鳥はいないことくらい、俺も知っている。
それなのに、何故こんなものを見てしまうのだろうか。

(俺の目が変な風になったのは、ユバナ軍で手術を受けた時だよなぁ)

俺はかつての職場・ユバナ軍に入って間もない頃に、目に大怪我を負ったことがあった。
その時、目の手術をしたけれど、まさかそれがきっかけで、こんな風になってしまったのか。
何故。どうして。
そもそも、たかが目の手術でこんな風になることなんて、あり得るのか?
ここ最近は、やたらと「訳の分からない連中」が増えている気がするし…。

(俺の執刀医じゃないけど…アイ大佐、じゃない。アイさんに訊いてみるかなぁ)

こんなバカな話をしても、普通の医者なら笑われるだけだ。
だけどアイさんは、面白がる反面、真面目に話を聞いてくれるだろう。
その点だけは、俺はアイさんのことを頼もしく思えるのだ。



(byアヤト)

「…高度よし。視界もよし」
ある晴れた昼下がり(「ドナドナ」じゃないよ)。僕はヒコウキ…ミカは、「オオトリ」って言ってたっけ。それを操縦していた。
こいつはアイさんに頼みに頼みに頼み込んで、更には(心の中で)土下座をして貸してもらうことになった、我が家の新入り。もとい、銀色のボディが美しい、まるで鳥のような飛行機械だ。実際、翼を羽ばたかせたり、羽根づくろいもするので、とっても鳥っぽい。
こいつの操縦は、こいつ自体が意志を持っているせいもあって、えらく難しい。しかし、どの飛行船よりも操縦が難しいこいつを乗りこなせれば、きっとどんな飛行船だって、難なく乗れるようになれるはずだ。
製作者兼持ち主であるアイさんもそう言ってくれたし、何より、「一部の特殊な人々以外は、この飛行機械は見えない」っていうのがいいじゃないか!
いくら練習しても、人々に騒がれないっていうのは、珍しい飛行機械を持つ物にとっては、有難いことこの上ない。
因みに、「一部の特殊な人々」っていうのは、

① 先の時代の生物兵器など。
② ①の子孫。そのうち、①の特長を強く受け継いでいるもの。

らしい。
やたら中二っぽい気がするけど、本当にそうなのだろうか。生物兵器ねぇ…。

「もしかして、オオトリもそうなの?」

ヒコウキ、と呼ぶのでは、あまりにそっけない気がしたので、僕はここ最近、この飛行機械を「オオトリ」と呼んでいる。
ミカがよくそう呼んでいたため、この呼び名の方が、こいつも理解してくれるのではないかと思ったからだ。
そのオオトリは、僕の言葉に「ギョー…」と気味悪く答えた。その際、軽く首を振られたため、その勢いで、梶をあらぬ方へと切ってしまう。

「おわっ!?」

そのまま、予期せぬ空中一回転!
ろくに操縦をマスターしてないのに、まさかのアクロバット飛行にチャレンジすることになってしまった!

「あっぶねえ!」

一瞬取り乱したものの、慌てて体勢を立て直し、何とか墜落は免れた。
だけど、体勢を立て直そうとした時、一瞬だけ、道を歩く一人の人物に目が行った。
その人は、普段はオオトリが飛んでいる際にはされることがない、あることをしていたから。

(気味が悪い。あの人、僕らの方をじっと見ていた)

まさか、オオトリが見られていることなんてないだろう。
しかし、あの人は何故、馬鹿みたいに空を見上げていたのか。
よっぽど珍しい鳥でも、空を飛んでいたのだろうか…。オオトリ以外の。

「まさか…なぁ?」

オオトリが見える人なんて、そうそういないはず。
その考えは間違いではない。
だが、僕はよく考えるべきだったと、今になってみれば思う。
「自分の知り合いには、オオトリが見える人はいない」。…そんなことは、アイさんは一度でも言ったことがなかったということに。


(byシンタ)

「目、ねえ?術後に異変があったってか」
「はい。手術するまでは、至って普通の目だったんすよ」

以前、「万が一の時には」という理由で准尉殿…じゃない。教官殿に教えていただいた、カザミの国境のすぐ外にあるクリニック。
モルタル?コンクリート?何だか分からないけど、白く塗装されている分、罅(ひび)やら塗装の剥離が酷い。いかにもビンボーそう、というか、ボロっちい外観の建物だったんだけど、そこに、かつて大佐だった人がいた。
外観よりも技術にこだわったのかな。出てくる機材のどれもが、真新しくてピカピカしている。
思っていたよりも広い建物らしく、「一応脳も調べるから」という名目で通された部屋には、テント二つ分ほどのデカい機械もあった。病院的な建物って、外観からじゃよく分からないもんなんだな。
…まあ、それはそれとして、だ。

「それがこんな…ありもしないようなものが見えるだなんて。変っすよねえ」

俺がそう言ったら、アイさんの目がキュッと細くなった。
何か失礼なことでも…と思ったけど、そういうことじゃあないんだな、と、俺は直ぐに気が付く。
アイさんは学者だ。それも、インドアな外見とは裏腹に、積極的にフィールドワークしちゃうような人だった。その分、目で見て、感じて、その上でデータを取らないまでは、ハッキリと物事を断定するような人じゃあない。
既存の理論ではあり得なくても、データなり何なりが「是」といえば「是」とする。
だから俺に、「何でないって断定できんだよ」と言いたいんだろうな。…でも、あの生物の形状やら色彩やらを考えると、どうも非現実的っぽいのだから仕方がない。せいぜい、「何かのメカだった」ってオチでもないと、納得できないような連中なのだから。
それでも、アイさんにとっては確認しなきゃ納得できない事だと思う。うん。
なのに。

「…まあ、そうかもなぁ」

…え。

「調べてみたところ、お前の眼に異常があったからねぇ。やっぱり目がおかしくて、変なもんが見えたんだな」
「え…、それにしちゃ随分はっきりした幻だったんすけど」
「そういう症例もあるの」

え…ええ?
とっても現実的な意見だけど、めっちゃ現実的過ぎて、逆に怖い。
軍にいた頃のあんたは何処行った!?

「まあ、そこまで言うのなら調べるけど?お前の目の不調が最優先だ。これをどうにかせにゃあ、業務に支障が出んだろ」
「あ、一応治してくれるんすね?」
「『一応』なんて半端なこたぁしねえ。ご要望であれば『完璧に』元に戻してやらあ」
「おお…」

まっすます怖ええわ!
何真人間みたいなこと言ってんだよ!式典すらフケたことのある、以前のあんたは何処行った!

「…ま、今回のこたぁ運が悪かったと思いな。軍医といえど、藪がいない訳じゃない」
「え、ええ…」
「この程度のミスなんざぁ…」
「はい」
「おめえの給料三か月分くらいで、何とかなる」
「はい…って、」

何だと!?

「だってうちのクリニック、保険証使えねえんだぜ?入り口の看板に書いてあったろ」
「読めませんて!あんな錆まみれ、蔦まみれの看板なんて!」


(byアヤト)

さっきのオオトリの件。バカバカしいと思いつつ、すぐにアイさんに訊きに行った。
やっぱりアイさんはオオトリの生みの親だし、その分、オオトリの事情に詳しい人だからさ。
加えて基本暇人だし。…と、思っていたんだけどなぁ。

「あれ」

ホーンデッドマンション・病院版.のような外観のクリニック。
その入り口には、行書なのかサナダムシのスケッチなのか、微妙なバランスの記号が描かれた看板が立っていた。
何これ。

「『診察中』か。珍しいな」

そう言うのはミカだ。
彼女は非番とはいえ、アイさんの居場所を教えてくれた上、親切にもここまで連れてきてくれたんだ。
紳士らしい人だと思う。女性だけど。

「これが出てる時は入っちゃダメなんだ。アヤト、帰ろう」
「え…中で何かヤバいことしてないよね?サイボーグ造ってたりとか」

てゆうかこれ、文字だったんだ。
しかも日本語。

「してないしてない。多分」

「多分」なのか。
ミカ自身の肝が据わりまくっているせいで、微妙にアイさんの危険度が分からない。
てゆうか。

「アイ博士の本業って、ここでやってるんだね。自警団の様子しか知らないから、何か新鮮な感じだ」
「カザミって物価も地価も高いだろ?当然国内では、バイトだけじゃ生活していくことはできない。かといって、カザミ国内に住めば家賃がかかる。だからあいつは、カザミの国境のギリギリ外にある廃屋をクリニックにしたんだ。この場所はユバナにも面してないし、国らしい国もないだろ。安全な分、時々旅行者が通りかかって利用するし、家賃も土地代も取られない。色々好都合な場所なんだ」
「へぇ~」

流石アイさん。カザミ事情を知った上で、こんな辺鄙な場所に居を構えたのか。
てっきりマッドサイエンティスト的な事情かと思ったら。

「ついでに言えば、奴にはそれなりに貯金もある。何とかなるさ」
「いいなあ、貯金あるだなんて…。あ、でもミカは?猟師や自警団のバイトだけで大丈夫なの?一応、自警団では教官の任についてるけどさ」
「あ、それは平気」

同じくバイトの身であるミカに訊いてみたら、そんな返事が返ってきた。
彼女も貯金か?と思ったら、その他にも理由があるらしい。

「まず、自警団じゃ教官の任がある分、金が多めに入るだろ?それに加えて、私は狩場の猟師になる時、特別な国家資格を取ったんだ。資格がある分、収入は当然倍だ。それでもって、狩場内は一応自然保護区になっているから、それを保護する立場の場合、家賃は半額になる。…もっとも、私みたいに、家に住んでない奴は、家賃タダだけど」
「え!?家に住んでないってどういうこと!?代わりの家はどうしたの!?

ボソリと彼女の言ったことが気になり過ぎ、質問してみるも、彼女は「さあ、何のことだろ」としか言わない。
すっごく気になるじゃないか!君、この間イノシシに家破壊されたばっかりだろう!?
妙に心配性なキリさんには絶対言わないからさ!

「そうは言っても、いざキリに訊かれたら喋るんだろ」
「そりゃそうかもしれないけど!…じゃあ資格は!?それをもっと詳しく説明してよ!」
「私の資格は狩場の、一般猟師が立ち入り禁止の区域で働ける資格だよ。そこは危険生物も最も多いけど、一番狩場の固有種が住む場所でもある。そこで、狩場の生態系を乱すような生物の大量発生があったり、密猟者が出た場合は、重火器以外の発砲が許可されるんだ。そのために、国家資格持ってる奴は、その区域に常住する義務がある」
「…」

ミカが狩場に住んでるのは知ってるけど、そういう理由で住んでいたのか。
それで家なしって、ますます訳が分からない。
宮本武蔵もびっくりだよ。

「成る程…要はヒットマンか」
「アヤト。今度また、うちに来いよ。手厚く歓迎してやるから」
「それはいいや」

今度君んちに行ったが最後、「不法侵入」を理由に狙撃されるだろうから…。
てゆうかこないだ、その立ち入り禁止区域に行ったんだ?僕ら。

「冷たい奴。そんなんじゃあ友人はおろか、恋人すらできないな」
「恋人『すら』ってなんだい!君は恋人いたことがあるのか…って、あれ?」

アイさんのホーンデッドクリニック以外、木しか存在していないこの場所。
店はおろか、民家すらないところなのに。

「アヤト、どうした?」
「いや…。木立の向こうに、女の子がいた気がしたんだよ。漫画とかで描かれる清純派のような、白いワンピースを着た子。若そうな子だったけど、一人で歩いていたよ」
「こんなことで、白いワンピースを着た女が一人?色々ありえないこと言うなよ」

うん。僕もそう思う。
でも今一瞬、見えた…ような気がしたんだ。

「女が一人で、こんな人気のないところを歩くとは思えないし、たとえ一人でいるとしたら、迷子か密入国者。いいものじゃないさ。それなのにワンピースって…」
「分かってるよ。でも、そんな気がしてさ」

僕がそう言うと、ミカは益々眉間の皺を深めた。
厳しい教官の顔になって、僕に迫る。

「で?その女はどっちへ行ったんだよ?」
「あのでっかい木の向こう側だよ。でも、そんなこと聞いてどうするの」
「追う」
「…は?」

僕の見間違い間も知れない女の子を、追うだって?
無茶だ。そんなことしたら、僕らがここで迷子になる。

「そうならないように、これ」
「うん?」

ミカの手に握られていたのは、一枚の黒い石の板。
これ何だろ?と思って覗いたら。

「光った!」
「これは機械だよ。あのクリニックからここまでの道順を記録してくれてるんだ。アイに、ここまで来る時間を無駄にされた時に『ほら、カザミの首都からこんなに時間かけて来たんだよ』って言うために記録してたけど、ここでも役に立ちそうだ」
「あ、元々は嫌がらせの機械なんだ」
「そうではないけど」

高価な機械なのか。ミカは大切そうにケースに機械をしまい、僕に向き直った。

「でも、これがあるから追っても大丈夫。私自身も道を覚えてるし」
「うーん…」

道順を覚えてくれる機械に、ミカ自身の記憶力。
彼女の記憶力は、ポン引き事件の時に垣間見た気がするしなぁ…。
どうでもいいことなのに、僕のためにこんなに熱心になってくれてるし…。

「分かった。ちょっと気になるし、調べて行こうよ」
「よし。じゃあ、なるべく静かに移動して行こう。本当に女がいたとしたら、音で気付かれると厄介だ」

まるで危ない人のようなセリフと共に、ミカは前進する。
心なしか嬉しそうな表情を浮かべているけど。
…ああ。これ、僕のためっていうより、君自身の好奇心のためなんだね?

「今頃気付いたの?」
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