2017-11

今週も二本立て―「Doll」第五話目編―

こんにちは!(或いはこんばんは)
奥貫阿Qです。

ああ…賽日、とうとう過ぎちゃいましたねえ。
この日を逃して嘆いている人がいるとどこかで信じ、私はもそもそと小説やその他書き物を書いておりました。
例によって例のごとく、コンクール用の小説も。

さて、今回も二本立てでお送りいたします!
一本目はこちら、「Doll」の第五話目です。謎の男の言動と、アイのセリフにご注目を(というか、それしか書いてない…)
二本目は、大遅刻を覚悟で、賽日小説です。この記事のすぐ上にアップしてあるので、ご確認を。そもそも賽日が何なのかについても、作中で解説がありますよ~。

それでは、私はこの辺で。
また再来週お会いしましょ~。



「Doll」⑤

「野郎。あの野郎。
ミラは本物だ。ちょっと体は変わってしまったけれど、あれは本物のミラなんだ。
それを!それを「偽物」と言いやがった!」

某所の屋内。
森の中にもかかわらず、真新しく日の光を照り返す建物があった。
大理石で作られているかのような綺麗な壁とは裏腹に、室内はどんよりとした空気が垂れこみ、酷く散らかっていた。
もっともその様子は、窓もカーテンもしっかりと閉められているため、外からはまったく分からなかったが。

「チクショウ!チクショウ!」

まるで駄々っ子のように、男はダンダンと足を踏み鳴らす。そうして、苛立ちをぶちまけるかのように、物が散乱した床の上をのしのしと歩く。

「まだ、まだ足りないのか!これ程やっても!まだ人の姿には程遠いってか!」

男が歩く床はタイル張りだった。歩くたびに硬質な足音が響いてもよさそうなものだが、不思議なことに、男の怒鳴り声と物を蹴飛ばす音以外、何も音がしない。
不自然なまでの静かさだった。

「早くミラの手足の繋ぎ目を消さなければ。しかし、どうやるんだ?関節がなければ手足は滑らかに動かない。Mark.Iは、何故か関節が目立たないが…。一体何なんだ。人工的な関節の代わりに、Mark.Iには何が使われているっていうんだ!」


(byアイ)

「うふうふうふ…。関節は関節さね…」

おっと。酔いが回り過ぎて、思わず口に出ちまった。キリちゃんらがいないから、別に気にするこたァねぇが。
しかし…さっきから悩む必要のないことで悩む声が聞こえてきて、可笑しいったらない。
ぶつぶつ文句を言ってる奴は、気付いてるんだろうか。今自分が使ってる装置が、独特なシグナルを発しているってことに。あんまりにオリジナルに近付き過ぎたせいで、パチもんでしかない装置が、オリジナルと同じように、俺に定期的に稼働状況を連絡してくるってことに!
しかも音声付きでだ!

「大事なのは材料さ。体の仕組みなんざ、どうでもいい」

天の声よろしく、このアドバイスが声の主に届けばいいのだが。
残念なことに、俺側のマイクはOFFにしてあるため、この声が届くことはない。

「だってねぇ…。体を一から造ろうとしたら、難し過ぎるじゃんよ。コストだってかかる」

俺の…というか、俺ら以前の「人っぼさ」を目指したメカのネックはそこだった。
外見重視なら、臓器やらの役目を果たすものはもってのほか。臓器代わりの装置どころか、工場がいる。
内容重視なら、人の姿をとらせることはお勧めできない。あんなちっさい容量に、収まり切れるか。
なのに、人の姿がいい、体の諸々の機能も人並みにしたい、だと?なら、いっそのこと考え方を変えてみねえか?
発想の転換って、大事だぜ?
現に俺らは、そうやって生まれた。
俺達は。

「…俺らの体はねえ、人の体をコピーして造られたんだよ」

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