2017-09

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「Doll27」

大変ご無沙汰しています。
奥貫阿Qです。

今度は四か月ぶりの更新となってしまいました…(汗)
季節は廻り、今や「Doll」シリーズの季節である、夏も二順目です。
今年こそは完結させたい…。

もう間もなく30話目になりそうな「Doll」シリーズですが、何とか30話目に完結を迎えられそうです。
それが終わり次第、「Moon King」もまとめの段階に入りそうな予感。
まとめで、また新しい人物を出す予定なので、このまま書き続ける所存です。

それでは、さっそく久々の更新、27話目に入ります。
今週末には、「大原くん」の最新話(らしきもの)がアップできそうです。





「Doll27」
(byキリ)

プログラムなんて、どうとでも変わる。
アイ兄さんとは真逆のことを、ミーナは言った。
それ、本当なの?
だってアイ兄さんは、「俺らはプログラム通りにしか動けない」って…。

「特別なんだ。私は」
「ちょっとあんた、何言って」

私の言葉を遮って、ミーナはアクションを起こした。
真上に浮かび上がったかと思うと、どんどん姿を変形させていく。

「キリさん、また上に雲が…」
「うん…。何する気なんだろうね…」

姿が変わっていくと同時に、あの雲のようなものがどんどん湧き出した。
また私達の上が、偽物の雲と光で多い尽くされた。

「あっ!あっくん!雲が伸びてきた!」
「こっちもです!どんどん増えてる!」

変化はそれだけでは終わらず、真上に漂っていた雲が、どんどん下へ下へ…つまり、私達の方へと伸びてきた。
あれは雲っぽい見た目こそしてるが、実はムース状のものだってことを、さっき私達は知った。
あれで何をするっての?

「あ。雲千切れた」

呑気なことに、リヒトまでが上を仰ぎ、そんなことを言っている。
ぼたぼたとムーズが千切れ、私達の上にまで降りかかってきた。
特に私に。ひときわでかい塊が。

「キモッ!山蛭みたいな感触がする!」
『ごめんごめん。でもそれ、後で退くから』
「へ?」

まるで町内に響く放送みたいに、間延びしたミーナの声が降ってきた。
なにこれ、可動式?
そんな馬鹿なことを思いかけた時だった。

「うっへぇぇ!」

キモい!思わず変な声が出る気持ち悪さ!
何とこの塊、ホントに動くのだ!
モゾモゾ動くのだ!
嫌だ!これデカいナメクジみたい!

「うあああああ!」

あっくんも叫んでる!
あーあ、可哀想に。彼、べったり背中に貼りつかれてるよ…。
あ、でも変だ。モゾる(略語)の度に、塊がどんどん小さくなっていってる。
その代りに、彼のいる場所に何かができあがっていってる…。これ、床か?

「その通り。床だ。今降らせたもので、造っていってる」
「お?」

再びミーナの声。今度は間延びなんてしてなくて、ちゃんと近くで聞こえる。
きょろきょろと探すと、いつのまにか私のそばにいた。

「もうすぐ出来あがるから、降りてきたよ。今降らせたのは、ナノマシンの塊でね。早速使ってみたくなったんだ」

ナノマシン。
アイ兄さんの傷を治したり、さっき出た話の中で、何か…機械の発展に大きく関わった機械のことだ。
アイ兄さんだけじゃなく、ミーナも扱えるのか。

「キリ。信じられない話だけど、今、ナノマシンでリヒトのラボを再構築してるんだよ」
「ええっ!?せっかく壊したのに、何で!?」
「そうだよ!ここで何が行われたか、君だって知ってるんだろ!?」

モゾモゾに耐え切れなくなったんだろう。ナノマシンの塊を背中から引っぺがし、べしっと地面に叩き付けながら弟子が言った。

「知ってるさ。でも、だからこそなんだ」
「「へ?」」

私と弟子の声がハモる。

「彼は、自分の正体に気付く前の私に負けかけ、暴走した私に負けた。だけどまだ、完全な状態になった私の強さは知らないだろう。だったら、万全な状態で挑ませ、完全に敗北させてやる」
「…要は?」
「剥かれる前に、手負いの牙はすべて抜く」


(byシンタ)

「うへぇぇぇぇ…」

何だ。何なんだ、これ。
雲かと思ったらただのムースで、それがべったり張り付いて動けないだなんて。

「シン…」
「ミ…ちゃ、うご…」

しかも壁みたいなところに押し付けられて、声も出ない。

「お?」

ヘンだ。このムース、もぞもぞ動き出した。
お蔭で息が楽になった。
ムースはどんどん動いて、視界は開けてくるし。

「ラッキーっすね、ミラちゃん。ムースが消えましたよ。モゾモゾはキモかったっすけど…」

いや、正直言うと、息がつまりかけてたミラちゃん、何かエロいなって思ってたけど。
ラッキーどころか、密かな眼福だったけど。

「…おや?」

でも変なんだよな。
ムースが消えたと同時に、俺達の下に足場みたいなのができ始めてる。
俺ら、でっかい穴みたいなのに飛び込んだはずだけど?
あ、案外底が浅かったとか…?
いやいや。でもこれ、よく見てよ。

「これ、床じゃん」

普通に人工的な床じゃん。
一体何がどうなって…。

「…あれ?ミラちゃん?」

さっきからミラちゃんの返事がない。
何事かと思って見てみると。

「…」

俺の腕の中で、ぜーぜー息を整えていた。
やだ。何か弾けそう。


(byキリ)

どんどん造られていく床、壁、電子機器。
まるで映画の逆再生でも見ているかのように、あっというまに、無くなったはずのものが全て復元されてしまった。

「この床の下はプールか…。よかったな。火事が起きてもまた消せるし」
「…M0.5(エムハーフ)…。俺を馬鹿にしてるのか」
「いや。ただ、頭はいいのに馬鹿なことをしてるな、とは思ってる」

そういうのを馬鹿にしてるっていうんだ。って、ミーナに言いたかった。
が、ここは敢えての静観だ。
今のミーナの状況が、私にはわからない。
一体、どういう理由で戦おうとしてるんだろう?

「ついでにいえば、私の本当の名称はM0.5じゃない。M0.5は略称で、正式な名前は『M0.5D(エムハーフディー)』だ。DはdaughtrのDだから、M0.5の娘的なものっていうのが、正しいかな」
「な!?」
「え!?ミーナ、親がいるの!?」

訂正。静観は止めだ。
ここは意地でも、こいつらに割って入らねば。

「誰!?誰なのさ!?」
「『M0.5』…略称が私と同じメカだよ。今風に言えば、ロボットとか、アンドロイドとか、そんなの」
「う、産んだの?そのメカがミーナを…」
「いや。そのメカが放棄することになった、軍事関係一式のデータを、私が引き継いだってだけ」
「へ、へぇ~…」

ミーナの実父、ないし実母は機械。
そしてミーナも、やっぱり機械。
その衝撃の事実と、逃れられない確認事項に、「へぇ」くらいっきゃ言えない。
ボキャブラリーが追いつかない。

「ちなみに、私の親的なものの名前…『M0.5』ってのも、正式な名前じゃない。正式な名前は『Mark.I-025-the Moon King(マークアイ・オートエンティフィフス・ザ・ムーンキング)』。元々は、主となる医療関係のデータのほかに、軍事関係のデータも扱っていたらしい」
「…それをなくしたから、『M0.5』?」
「ああ。『Mark.Iの半分』や『Mark.Iの劣化版』って意味で、いじられるようになったんだ。私が生まれるまで、M0.5といえば、Mark.Iのことを差していた。…嫌味な奴は、Mark.IとM0.5は別物とみなして、敢えて別々に論文を書き残したりしていたらしい」
「へぇ…」

明日使えないけど、明日から見る世界が変わるであろう豆知識。
あっくんも、目が点だ。
リヒトは…。
うん?

「…ミーナ。リヒトの様子が変なんだけど」
「だろうな。知っておくべき機械の略称と正式名称の関係を知らなかった上に、まだ知らない事実があったんだから。恥ずかしくて死にそうなんだろ」

私だったら、確実に恥ずか死ぬ。
ミーナがさらに追い打ちをかけると、リヒトは湯気を出しそうなほど、顔を真っ赤にした。
…いや。真っ赤にした途端、マジで「ボフンッ!」って音と共に湯気を出し始めたから、もうどこかしらガタが来そうな予感。

「…さん」
「お?」

リヒトの目つきが変だ。
上せ過ぎて、目ぇまわしてる人みたい。

「M0.5D!」
「お?」
「お前は決して許さんッ!!」
「うわ、逆切れした」
「今度は正式名称で呼ぶんだな」

ミーナは冷静そのもの。
あっくんについては、リヒトがオーバーヒートしてるのを見て、冷静になったのか。普通に突っ込んでいた。
私については…。うん。ミーナが正気だってことが、取り敢えず分かった。

「どうでもいいから、かかってこい」

だってこいつ、ブレねえんだもん。
「猪突猛進」は、ミーナの子供のころからの相棒だから。

「いくぞ!」
「おう」
「ここの全研究成果を、お前にぶつける!」
「ああ」

するとあちこちから、壁や天井を突き破り、奇妙な動物達が入ってきた。
いや。動物っていいのかすら、定かではない。
だって、うねうね動きながら空を飛ぶ蛭っぽいのに、口しか見当たらない球体っぽいのまでいる。
何て説明すればいいのやら。…強いて言えば、こいつらはアイ兄さんが言っていた、「生物兵器」ってやつなのだろうけど。

「凄いな。アイとかが設計した姿のまんまだ…。お前が作ったのか?」
「いいや!」
「?」
「そこら辺にいた連中だ!」
「…窃盗じゃねーか」

ミーナの顔は、完全に白けたものになった。
多分、私達もそう。
盗むなよ。先祖の遺産を。
先祖が作った遺産は、後世に残してこそ教訓になるのに。

「さあ行け!お前達!」
「いや、無理だろ」

リヒトが号令を下した途端、リヒトの後ろで何かが爆ぜた。
それと同時に、生物兵器の群れがわらわらと動き出したけど…どうにも様子がおかしい。

「何故だ!?どうして言うことを聞かない!?」
「お前作の、コントロール用のセンサーを切ったんだ。…移動を始めているところを見ると、元いた住処に帰るんだな。…空を飛ぶ生き物については、いつのまにか上空に逃げてたオオトリに牽引させてる」
「なあぁ!?」

更に顔を真っ赤にさせながら、リヒトがどなった。
今更だけど、確かにオオトリの姿がない。

「…ホントに、オオトリいませんね」
「だね。また適当なところに逃げたのかと思った」

すっかりギャラリー化した私達を無視して、リヒトは更に何かを、ミーナに向かって叫ぶ。
取り敢えず、私達はこれ以上何もしなくてもよさそうだった。
ミーナが自力で何とかできそうなら、まだ片付いていない方に向かおうか。

「…あっくん。今のうちだ。何とかオオトリ引き留めて、自警団に戻って、あの女の子を保護しよう」
「そうした方が、よさそうですね」
「一応、私はここに残るから。あっくんは女の子の方を頼む」
「了解」


(byシンタ)

何かが爆ぜそう。
そう思った瞬間、マジで何かが爆ぜた音がした。
下の方から。

「エ゛!?まさかホントに爆ぜた!?」
「そんな!」

俺を突き飛ばし、ミラちゃんはすぐ近くにあった鉄製の両開きのドアを開け、その中に消える。
俺の言った意味とは全然違うけど、どうやらドアの中に、爆ぜる何かがあったらしい。
こう言っちゃあ何だけど、ちょっとホッとした。

「ミラちゃん、どこへ!?…あ!?」

開きっぱなしになってたドアに飛び込んで、失敗した。
ドアの向こうは、延々と下に伸びる、暗い空間だったのだ。
これはあれだ。MK分団の本部に最近設置された、「エレベーター」ってやつ。
建物を上下に貫く、鉄の箱。その箱が移動する通路だ。
ワイヤーが下に伸びているのが見えたから、間違いない。
でも…あれじゃん。
肝心な箱がねーじゃん。
俺、飛び込んじゃったじゃん。

「ワアアアアアアアアアーーーーーーッ!」

ああ神様!俺は悪い子です!
今日一日でしょうもないことをいくつも考えてしまいました!
でも、それにしてはこの罰は酷いです!重すぎます!
お願い助けて!!


(byキリ)

「…なぁ、動物は気紛れだからしょうがないとして、ちゃんとお前が作った技術で勝負してくれよ」

弟子が飛び出して言った後、地下には私とミーナ、そしてリヒトの三人が残った。
アイ兄さんは、未だに現れない。…いや、もう現れるつもりすらないのかも。

「そうじゃないと、私も正当な評価ができない」
「評価だと!?」
「そうだ。お前自身が持ってる技術を見ないと、万が一お前が過去の技術を完璧に盗んだ場合を想定した、処置ができない。裁けないんだ」
「機械が俺を裁くのか!?」
「そうだ。ある意味な」

ある意味裁く。そんな訳の分かんないことを、ミーナは言う。
さっき豪語したことといい、もしかしたらミーナ、時間稼ぎでもしようとしているのか。
未だに渋滞に巻き込まれてるであろう、団長が来るまで。

「一応、私は軍事的利用、ないし、確実に人権を侵してくる技術の乱用は裁くよう命令されているんだよ。…お前達の、ご先祖様にね」
「…成る程。それがお前が造られた理由か」
「その通り。…ちなみに、私の誕生と、過去の文明が滅んだ理由には関連があるんだけど…知ってるか?」
「?」

知らないっぽかった。
ついでに言えば、私も知らない。習ってないし。
でも…何だろうな。さっきからこの話を聞いてると、頭が痛くなってくる。
キャパオーバー云々や、現実離れしてるとかじゃなくて、こう…何か引っかかるというか。
喉の奥の、魚の小骨が取れそうで取れない感じに、何か似てる。

「ああ。やっぱり知らないのか」

中々答えないリヒトに焦れたんだろう。
ミーナ自ら、口を開いた。

「私達を生んだ、かつての文明が滅んだわけ…。それは、機械化した某天才が暴走したからなんだよ」
「…?」
「自分で自分を機械化した末に人権が適用されなくなり、社会的弱者になってしまった。そのために苦しみ、テロを起こしたんだ」

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